亀梨和也主演の実話映画『事故物件 恐い間取り』ネタバレ感想と考察。芸人松原タニシの原作が映画になったラストはある意味衝撃。

事故物件住みます芸人の松原タニシの著『事故物件怪談 恐い間取り』を、リングの中田秀夫氏が実写映画化した『事故物件 恐い間取り』を見てきた。ネタバレ感想と考察をまとめていく。

MEMO
ホラー映画が出ててくると「リングの中田秀夫監督が!」というキャッチコピーがそろそろ古い気するのは私だけではないだろう。

人は超えてはいけない線を超えることをどこかで望んでいる。もしくは、他の誰かが超えた線の向こう側を遠くからでも見たがる生き物だ。なので、何年経っても【閲覧注意!】というタイトルは消えないし、ついクリックしたくなる魅力がある。

今回映画化となった松原タニシの本は見たことないが、大島てるのサイトを定期的に見る私のような人間が無視できる映画ではない。そこで、公開日翌日に映画館へ行ってきた。これから見る方は、以下よりネタバレ含んだ内容なので、注意して頂きたい。

映画『事故物件 恐い間取り』

作品情報

【閲覧注意】売れない芸人が、「事故物件」に住んでみた- 「恐すぎて部屋に入れない」読者が続出した、ある芸人の実話を中田秀夫監督が衝撃の映画化! 映画『事故物件 恐い間取り』8月28日(金)全国公開

原 作:松原タニシ「事故物件怪談 恐い間取り」(二見書房刊)
出 演:亀梨和也、奈緒、瀬戸康史、江口のりこ、MEGUMI、真魚、瀧川英次、木下ほうか、加藤諒、坂口涼太郎、中田クルミ、団長安田、クロちゃん、バービー 、宇野祥平、高田純次、小手伸也、有野晋哉・濱口優(友情出演)
監 督:中田秀夫
脚 本:ブラジリィー・アン・山田
音 楽: fox capture plan

原作

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あらすじ

売れない芸人が、「事故物件」に住んでみた― 芸人の山野ヤマメ(亀梨)は、中井大佐(瀬戸)とお笑いコンビ<ジョナサンズ>を組んでいたが、全く売れず、結成から10年目となり、これ以上続けても無理だと感じた中井から、コンビを解散し放送作家になると告げられる。 突然ピン芸人となり途方にくれるヤマメは、番組プロデューサーの松尾雄二(木下)からTV番組への出演を条件に 「事故物件に住んでみろ」と無茶ぶりされ、殺人事件が起きた物件で暮らすことに。そこは一見普通の部屋だったが、 初日の夜、撮影した映像には白い“何か”が映っていたり、音声が乱れたり、様々な怪奇現象が。 OAした番組は盛り上がり、ネタ欲しさにさらなる怪奇現象を求めるヤマメは、不動産屋の横水純子(江口)に新た な事故物件の紹介を依頼。その後も様々な怪奇現象に遭遇し、ヤマメは“事故物件住みます芸人”としてブレイクしていく。 一方、<ジョナサンズ>のファンで、メイクアシスタントの小坂梓(奈緒)は、人気が出るほど危険な状況に陥っていくヤマメを密かに心配する。だがレギュラー番組も決定したヤマメは、次なる事故物件を求めて再び不動産屋・横水の元を訪れる。 そしてある事故物件で、ヤマメの想像を絶する恐怖が待っていた―

ネタバレ

以下ネタバレ含むので、まだ見てなくてこれから鑑賞予定の方は注意。

 

この映画は物件ごとに起こった怖いエピソードを順に紹介するオムニバス形式。住むのは勿論山野ヤマメ(亀梨和也)。

事故物件1件目

女性の殺人事件が起きたとされる、事故物件に住んだ山野。撮影する為のカメラを設置した際に、番組プロデューサーの松尾から電話を受ける。

山野は1人で部屋にいたものの、電話越しの松尾には受話器から女性の声がすると。後日、電話で話していた時のテープをスタジオに持っていくと、不気味なオーブが映り込み、その時の映像が番組に紹介される。

一発目でいきなり事故物件の不気味さを写すことに成功した企画に番組プロデューサーの松尾は喜び、引き続き怖い映像を撮るよう山野に指示。

その後、偶然テレビ局で一緒になった元相方の中井とヘアアシスタントになった梓と3人で食事することになり、中井が「その怖い家(山野が借りている家)を見に行こう」と提案する。

マンションに到着すると、梓は駐輪場の場所で黒い不気味な影を発見してしまう。山野の部屋に前に着くと、山野は部屋を片付けるからと中井と梓にドア前で待ってもらう。少しすると、梓はエレベーターから斧を持った男が降りてくるところを見てしまい、その男が斧を振りかざしたところで我に返った。

どうやら梓は霊感が強いようで、人に見えないものが見えてしまうらしい。恐怖を感じた梓はその日は帰ることにした。

元コンビ同士ですることもないまま、山野は「いつ帰るの?」と中井に聞くと、中井は放送作家としてうまくいってないようで、山野の企画に乗らせてくれるよう山野に懇願する。山野は否定せず、その日から二人暮らしで心霊映像を狙うことに。

カメラも複数台設置して準備万端までは良かったが、そこから心霊現象は起こらず、山野は番組プロデューサーの松尾からプレッシャーをかけられる。

そこで山野は梓を部屋に呼び、心霊現象が起きたら教えてくれと土下座して頼み込む。元々山野のファンだった梓は乗り気ではないものの協力することに。

少しすると、梓には赤い服の女が見えた。後ろからは、初めて山野のマンションに来た時に見た斧を持った男。まさに事故物件の事故が起こった瞬間の映像が梓の目に入り込んでくる。

ただ、山野には見えず、映像も撮れていない。中井と二人で監視カメラを確認したが、その時の映像だけなぜか切れて撮影されてなかった。中井は打ち合わせの時間が迫っていることに気づき、慌てて家を飛び出す。その後に家を出た山野は自分の自転車がないことに気づき、中井の仕業と確信して中井にビデオ電話をする。すると、中井の後ろに赤い服を着た女が立っていた。そして、山野がいるマンションの駐輪場の先にも赤い服の女が。異変に気づいたら山野は中井に後ろを見るよう伝え、自らもその場から離れることに。そして、その場を飛び出した二人共交通事故に遭ってしまう。幸い命に別状はなかったものの、梓はこれ以上事故物件に住むのは危ないと警鐘を鳴らす。

交通事故に遭ったことでより「事故物件住みます芸人」としての認知度は上がり、山野は次なる事故物件を探すことに。そこで出会ったのが、訪れた不動産屋の事故物件専門の横水純子(江口のりこ)と出会う。

 

事故物件2件目

2件は70歳の老婆が、無職の息子に殺されたという物件。

この物件は、畳に付いた血痕、風呂場のタイルが一部壊れていること、排水溝に詰まった髪など怪しさ満載。

後日、山野は中井からイタズラ留守電なんてするなよと言われるが、山野は身に覚えがない。録音されたメッセージを何度も聞くが聞き取れない。

事故物件住みます芸人として活動する山野は順調で、イベントやサイン会なども行うほどに。そのイベント時、山野と一緒に写真を撮りたいというファンが現れる。山野は近くにいた梓に撮影をお願いすると、梓が写すカメラの中に山野とファン以外にもセンサーが写りこみ、少しするとくっきりと老婆の顔が出ていることに気付く。

そして山野は再び梓に協力を依頼。二度目ということで申し訳ない気持ちがあるものの、梓も「始めましょうか」と山野のために協力する。

梓が風呂場を調べていると、後から来た山野が滑って梓と急接近というベタな展開に。そのタイミングで山野に電話がかかり、一旦風呂場を後にする山野。残された梓が鏡を覗くと、山野のサイン会で見た老婆が現れ、梓は頭を洗面所に押し付けられる。異変に気づいた山野が風呂場に向かって、間一髪のところで梓を救出。

何かを察した山野は梓に、以前中井宛に届いた留守電を聞かせると、梓は声が老婆であることに気付く。山野はこの物件で起こったことを畳の血痕、風呂場のタイルが一部壊れていること、排水溝に詰まった髪、今回の梓に起こったことから、老婆が息子に虐待を受けて殺されたと推測する。

こうして山野は再びネタを手に入れることが出来たが、一緒に住んでいた中井は実家に不幸があったことで、企画を降りると山野に伝える。「忠告はしたからな」と告げて部屋を出ていく中井。梓も中井と同様にこれ以上事故物件に住むのは危険だと山野に伝えるも、やっと手にしたポジションを失いたくない山野には届かず、新たな事故物件を探すことに。

 

事故物件3件目

3件目は今までになくキレイな部屋で(入って直ぐにドアノブで首吊った女性を想像してしまうが)、ロフトもある。部屋に入った山野は早速ロフトで寝転がっていると、ロフトを登る階段に不自然なくぼみがあることを発見する。そして激しい頭痛が起こり、仕事を欠席することに。

山野が仕事を休んでいることを知った梓は急いで山野のアパートへ向かう。何度かチャイムを鳴らすと、憔悴しきった表情の山野が首にベルトを巻いて出てきた。梓の言葉で我に返った山野は、何で首にベルトを付けているのか分かってない。

事故物件のレベルが上ってきたことで山野の危険度は増す一方だが、仕事は順調で番組プロデューサーの松尾から東京進出するよう伝えられて喜ぶ。東京でも事故物件に住むため、再び不動産屋の横水に相談へ行くと、東京ではないが千葉の物件を紹介された。

その見取り図を見て、梓は「ここだけは住んではダメ」と忠告するも、山野は聞く耳を持たないどころか、忠告ばかりする梓をキツい言葉で突き返す。ショックを受けた梓は、これ以上忠告しないと諦め、その場を去っていく。

東京へ向かった山野が歩いていると、伊崎(高田純次)が声をかけ、凄い霊が付いていると知らせ、ジャケット内に隠していたお守りを選ぶようアドバイスをする(お守り代700円はしっかり徴収される)。

 

事故物件4件目

男女のカップルが抱き合うようにして亡くなっていたというアパート。山野が部屋に入って部屋の様子を伺おうとすると、突然気絶して意識を失う。気付くと日が落ちていて、アパートのチャイムが何度も鳴っている。ドアを開けても誰もいないが、後ろの扉が勝手に開くなど、今までになく危険な雰囲気。

その後事故物件のライブ中継を行った際、映像に映る山野の顔に黒い跡が出てきてネットが騒然とする。ライブを見ていた梓も山野の異変に気づく。

ライブ中継を終えた山野が寝ようとすると、布団には老人がいて山野の足を掴む。山野が驚いて後ずさりをすると、冷蔵庫にはアイスを食べてるデブ女、部屋には殺し合うカップルなど、まとめて過去亡くなっただろう霊が現れてしまう。

部屋の柱を掴みながら山野はパニックに陥るも、伊崎から買ったお守りを思い出し、霊に向けると霊が消えていく。ホッとする山野だが、奥にもう1人黒装束の男が立っていることに気付く。再びお守りを掲げるも、この黒装束には効かない。絶体絶命のピンチで梓が駆けつけた。アパートの窓を割って入り、山野を起こすが、目の前にいる黒装束によって梓は山野に包丁を向ける。山野も無意識に梓の首を掴み、過去に起こった事故の再現を二人で行おうとしていた。

そこに間一髪のタイミングで中井が登場する。不動産屋の横水からサポートを受けていたようで、黒装束に向けてお祓い道具を向けるが効かない。続いて線香を束にしたようなモノを取り出し、火を付けて何かの呪文を唱えながら火の粉を黒装束に当てる。黒装束も反撃するが、梓が持ってきたコントで使っていた傘を広げて黒装束の攻撃を防ぐと、傘で跳ね返った攻撃?が黒装束に当たり、黒装束の中の顔が色々な人(亡くなった方?)に変わって消滅した。

 

ラスト

その後、どういつ経緯かは不明だが、山野と梓は同棲することになり、今度は普通の部屋を紹介してもらうよう横水に相談。物件を探している最中、横水の後ろには黒装束が立っていた。スッと横水の体に入ると、横水は無表情のまま不動産屋を出て直ぐに車に轢かれて死亡する。

その場を逃げるように立ち去った山野と梓、二人で歩いていると、後ろのマンションには首を吊る男性と黒装束の姿が。黒装束の呪縛は終わってないという見せ方で映画は終わりを迎えた。

 

映画『事故物件 恐い間取り』の感想と評価

お笑い芸人の松原タニシが、自らの経験を本にした内容を実写化した映画『事故物件 恐い間取り』。

ホラーというよりも怪奇現象が起こりやすい物件に住んだ記録。

こういう作品を見る度、霊は誰かを道連れにしないと気が済まないのかな?という気持ちになる。殺されたら犯人を恨むだろうが、新しく住んだ人にも自分と同じようになればいいって、少し性格悪過ぎないだろうか。ただ、3件目のロフトからの首吊を考えると、無意識にそうさせてしまう何かが潜んでいるという設定なのだろう。その裏にいるのが、最初からところどころで出ていた黒装束ということであれば合点がいく。

最後に横水に乗り移って車に轢かれたのは、山野と梓に対して「まだ終わってない」という忠告か。事故物件内で存在感を見せる黒装束が事故物件を紹介するところまで出現する執念か、面白半分で事故物件ばかりに住む山野への怒りともとれる。

難点は4軒目のラストだろう。最後の最後でSF映画のように描写にした点は残念だったし、その前の冷蔵庫にいたアイスを食べてるデブ女で怖さが激減してしまった。ホラー映画なので、最後に大波を作りたかったのは理解できるが、最後に無茶苦茶怖い経験をした程度で抑えておけば、もっと「怖かったなぁ」となっただろう。

 

まとめ

ラストはやや残念だったが、この作品が伝えたかったのは、徐々に霊感が強くなる山野、山野と一緒に事故物件に住み、実家が大変なことになった中井を通じ、『安易に事故物件に住むと不幸が起こる』ということを伝えたかったのだろう。

黒装束の顔が亡くなった人達の顔でシャッフルしていたが、そのシーンとライブ中継時の山野に起こった変化(画面越しの顔が黒い)を思い出し、黒装束のシャッフルされる顔の中に山野が追加されてもおかしくない。色々思い出すとゾッとするシーンが幾つかあった映画である。

この映画で事故物件に興味を持ってしまい、鑑賞後一番見ているサイトが大島てるであるということを付け加えて終わりにさせて頂く。