アカデミー賞確実と言われる映画「ジョーカー」を見ても全く絶賛する気になれない理由

大絶賛される作品が自身にとって最高になるかは分からない。

公開された2日後に観に行った『ジョーカー』は、そんな表現がぴったりの作品である。

つまらなかったか?と言われればノーだ。心優しきアーサーが堕ちていくシーンを見ているのはツラく、同時に映画のキャッチである「笑顔の中に悪はいる」という意味も分かる。決してクソ映画ではない(途中寝ちゃったけど)。ただ、大絶賛したり、ロケットニュースのP.K.サンジュンさんが書いたような

先日行われたマスコミ試写会で『ジョーカー』を鑑賞し終えた私は率直にこう思った。「ツライ、ツラすぎる。こんなに救いようがない映画は滅多にない」と──。

〜中略〜

1つだけでもトラウマになってしまいそうなド級の困難が、矢継ぎ早にアーサーを襲う、つまり “襲い続ける” のだが、ハッキリ言って途中から観るのがツラすぎた。あまりにも理不尽な仕打ちの数々に、私は実際に目を閉じ耳をふさいだ。一言、観るに堪えない。

引用:【映画】「ジョーカー」の前評判が異常に高くて困惑せざるを得ないたった1つの理由

のような感情は沸かなかった。“襲い続ける”という表現は大袈裟。多くは予告編にあるような出来事ばかりで、目を閉じそうになったのは、元同僚をハサミでドン!と始末した時ぐらいである。

『この時代に公開することの凄さ』と、語る人もいるが、ここ10年ぐらいの間であれば『この時代に・・・』と言われていただろう。

優しい性格から悪に堕ちたという流れも、スター・ウォーズのアナキン・スカイウォーカーからダース・ベイダーになった経緯と被る部分があり、新鮮さはない。

なので、大絶賛ムードがピンとこないのだ。

見終わって「へ?」となった自分はバカなのかな?とさえ考えてしまった。本当にバカということもあるが、それだけが理由ではないので、もう一度考えてみることに。

映画「ジョーカー」を絶賛できない理由

会社や友人に感想を聞いたところ、10人中9人は大絶賛、1人は後半のシーンがグロくて見れないという結果に。

『ホアキン・フェニックスの演技がヤバい』
『妄想と現実の境界線がなくなると怖い』
『誰もがジョーカーになる』

こうしたあるある感想を聞いては、どちらがバカなのか分からなくなってしまった。そもそも感想を語り合うような映画でもないが…。

 

アーサー(ジョーカー)の境遇

アーサーの境遇は決して珍しいことではない。母はまともじゃなく、仕事も不安定で、ふとしたことがキッカケで仕事をクビになって途方に暮れる。実にあるあるだ。『なんで自分ばかり……』と考えるのは当然だが、そうなる前に何か出来ることはあったのではないか?と、突き放したくなってしまう。まあ、それが出来て仕事もプライベートも順風満帆ならジョーカーは誕生しないから本末転倒なんだけど。

実際に不遇な生活を送っている人はたくさんいることだろう。でも、そういう人を見ても『大変だなぁ』が3割で、他は『で、この状況を変えるために何しているの?そもそも変える気ないでしょ?』だ。

誰でも生きていれば嫌になることや困難は訪れ、その度にどのような選択をし、何をして次にどう活かすか?の繰り返しだ。それが出来ず(しようともせず)堕ちていく人は勝手にどうぞと考えてしまう。

最悪なのは自らが堕ちるだけじゃなく、無敵の人になってしまうパターン。無敵の人と言えば少しばかり聞こえが良いのが腹ただしいが、ジョーカーはまさ無敵の人。映画を大絶賛する気にならないのは、こじらせ中二病甘えん坊体質が見え隠れしているから他ない。

近くにいる『あの人優しいからね』票を獲得している人こそ要注意だ。

 

無敵の人を治す薬はない

時代のせい、環境のせい、周囲にいる人のせい、景気のせい……そんな“◯◯のせい”を溜めて堕ち、無敵の人になったのがジョーカーだ。時代背景と重ねて絶賛する人もいればそうでない人もいて、私は完全に後者。無敵の人を肯定してはならない気持ちが強いせいで、映画「ジョーカー」を絶賛する気にはなれない。

 

アーサーが笑うシーンを見るのはしんどい

主演のホアキン・フェニックスが見せた演技が凄いという評価には納得だ。一度笑い出すと止まらなくなるという病気だったが、その笑い方がどんどん悲しそうになっていくのは切なすぎた。特に電車でのシーン…。そこからの暴走含めて見応えはある。最効かどうかは別物だが。

 

最後に:実生活にいる本当の悪魔

最後に本当の悪魔をお伝えしてこの記事の終わりにしよう。

本当の悪とは、「引っ越しするから」という理由だけで一緒に住んでいた犬猫をあっさり保健所に連れて行くような人だ。そういう人が何食わぬ顔で近くにいるかと思うとゾッとする。それが私が考える現代最強の悪魔だ。

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