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リバプールがプレミア制覇するには攻撃のオプション増やさないと厳しい |マンチェスター・ユナイテッドVSリバプール レビュー

10月 21, 2019

昨季14年ぶりにチャンピオンズリーグを制したリバプール。今季の目標は昨季勝ち点差1で逃したプレミアリーグ制覇に他ならない。マンチェスター・シティのような華やかさはないものの、しぶとく勝ち点を積み重ねるユルゲン・クロップ監督のサッカーは今季も健在で、『今年こそは、、、!』の想いはどこよりも強いことだろう。

ナショナルダービー

現地時間20日に行われたマンチェスター・ユナイテッドVSリバプールの”ナショナルダービー”

勝ち点差だけを見れば両チームの違いは一目瞭然。ホームのマンチェスター・ユナイテッドが、8節終了時点で2勝3分3敗の12位という酷い成績に対し、アウェイのリバプールはここまで全勝で首位だ。順位表だけを見ればリバプール優勢を予想するのは簡単で、今回のユナイテッド戦も確実に勝ち点3を奪って帰りたいところだろう。対するユナイテッドは、開幕でチェルシーを4−0で奪って勝利して以降はダメダメで、ホームで格下相手に負けることも珍しい光景ではなくなった。しかも今回はポール・ポグバも負傷ということで絶体絶命のピンチ。

ただ、ユナイテッドに全くチャンスがない訳ではない。対戦相手のリバプールは首位に立ってはいるものの、今季は試合後半にガス欠になってばかりで試合の終わらせ方が良くなく、ポイントゲッターのサラーも不在……と、懸念材料が全く無い訳ではないのだ。

 

前半:唯一の攻撃方法でゴールを奪ったユナイテッド

試合は、両チーム代表ウィークの影響で動きの重い選手が多いこともあり、スピーディーさにかける凡戦となった。バイタルエリア突入前はしっかり防ごうという意図は見えたものの、複数の選手が絡むシーンはあまり見られない。

ユナイテッドは無理してパスをパスを繋げず、リバプールの選手を自陣に侵入させ、サイドバックが空けたスペースをジェームズとラッシュフォードで仕留めるのが狙いだろう。実際にそれを実現したのは凄いけど。

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直前のオリギへのタックルがファウルだという主張はともかく、空いたスペースを確実に活かしたユナイテッドを褒めるべきか。

対するリバプールは、どうにもこうにもチグハグ。特に左ウイングに入ったオリギがゲームに入りきれてない。というより、ウイングの位置にスピードも守備意識もないオリギを配置したクロップ監督の采配も疑問である。

オリギは昨季終盤にラッキーボーイのような活躍を見せたものの、基本的にリバプールのサッカーには合ってない。使うとすれば2トップの一角か後半の勝負時に1トップで使うかの二択だろう。

前半終了間際にマネがゴールを決めたものの、VAR判定の結果ハンドを取られてノーゴールに。この試合は2度ともVAR判定がリバプールにとって不運な結果になったのは残念だが、レフリーのジャッジは正しい。

 

後半:アイデア不足が浮き彫りになったリバプールを救ったのは・・

後半はほぼユナイテッドの陣地でゲームが行われた。先制点を奪ったユナイテッドのやることは、ゴール前をしっかり固めて前半同様にジェームズとラッシュフォードに攻撃を託す形に。

そうなるとリバプールは厳しい。特にフィルター的要素の強い中盤の3人(ファビーニョ、ヘンダーソン、ワイナルドゥム)だと、攻撃のアイデアが乏しくなる。ファビーニョはカウンター対策として潰し役なので仕方ないが、ワイナルドゥムの存在感0プレーヘンダーソンのプレー選択肢の少なさが顕著となってしまった。後半はフィルミーノがトップ下のような位置を取ることで中盤に時間が出来たものの、マネもオリギも中央に寄ることで中央が大渋滞に。そうなると、フィルミーノのポストプレー&気の利いたパスも出すのが難しい。

クロップ監督はオリギに代えてチェンバレン、ヘンダーソンに代えてララーナ、そしてワイナルドゥムに代えてケイタを送り出した。いずれも攻撃で違いを生み出す選手達だ。

少し遅すぎる選手交代は、後半40分にようやく実を結ぶ。決めたのはララーナ。

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一度ニアに入る動きをして、クロスの直前にファーに逃げたララーナの動きも秀逸だが、そこを狙ったロバートソンのセンスが素晴らしい。右からアレクサンダー・アーノルドが何度か鋭いクロスを送っていたものの、中を固めた相手にはあまり効果的ではなかった。ここに守備固めをした相手を崩すヒントが隠されている。

引いた相手に対して効果的なのは、『誰が触ってもゴールになる可能性があるイヤラシイクロス』だ。分かりやすいのが、マンチェスター・シティのデ・ブライネが得意とする高速クロス。

2:08頃のクロスもだが、巻くクロスは守る側からしても非常に判断を難しくさせるパスである。こうしたパスを出せる選手がいるかいないかは大きな違いを生む。

 

リバプールの課題と可能性

リバプールは得点が必要な時に中央突破にこだわり過ぎるところがあり、接戦時に単調な攻撃しかないことが課題。

それを打破するためには、ユナイテッド戦でロバートソンが送った低速クロスが鍵になる。同じような鋭くて低いクロスを、右のアレクサンダー・アーノルドも使うことで攻撃の幅を広げ、中央の渋滞を緩和できるかどうか。

そしてララーナのような選手を、クロップ監督が効果的にローテンションで回せるかどうかも気になる。個人的には、もっとシャチリを使ってもいいのではないだろうかと。

昨季は中盤3人のハードワーク+3トップの破壊力で勝ち点を積み重ねてきたが、シティに勝つには昨季同様では難しいだろう。序盤の戦いを見ていても限界を感じるので、新たな得点を奪う形が必至である。中盤にデ・ブライネのような正確無比なパスマシーンがいれば話は別だが、そうではない現状を考えると、サイドバックのクロスの質だったり、現ベンチ選手の奮闘だったり、プラスαの要素に期待したい。

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